職業訓練は2回目でも受けられる?給付金の条件や合格のポイントを紹介
「前に職業訓練を受けたことがあるけれど、2回目を受けてもいいの?」「再受講の場合、受講条件や給付金はどうなるの?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、2回目の職業訓練を受けるときの条件と合格のポイントを紹介します。
「次こそは自分にぴったりの仕事を見つけたい」「実際に働いてみて、さらにスキルアップをしたくなった!」と燃えている方に、ぜひ参考にしてもらいたいです!
目次
職業訓練は条件が合えば2回目でも受講できる!
職業訓練は、ハローワークが提示する条件をクリアすれば2回目の受講も可能です。
はじめに、職業訓練を再受講できる条件と重要なポイントをみていきましょう。
- 前回の終了日から1年以上経っている必要がある
- 求職者支援訓練の基礎→応用コースは連続受講できる場合がある
- 職業訓練校の選考試験(面接・筆記)に合格しなければならない
- 雇用保険や給付金をもらえるかどうかは別の話
前回の修了日から1年以上経っている必要がある
2回目の職業訓練を受けるには、前回の訓練修了日または退校日から1年以上経過している必要があります。
ただし、1年以上間が空いたからといって必ずしも受講できるわけではありません。
ハローワークの就職相談で職員から受講指示を受け、さらに職業訓練の選考試験に合格してはじめて受講できます。
求職者支援訓練の基礎→応用コースは連続受講できる場合がある
職業訓練の再受講には基本的に1回目の修了日または退校日から1年以上の期間が必要ですが、例外で連続受講できる場合があります。
- 求職者支援訓練の基礎コース→実践(応用)コースにステップアップする場合
- 上記かつハローワークの職員が2回目の受講を認めた場合
ステップアップの条件を満たしていてもハローワークからの許可は必ず必要になるため、志望動機の準備を必ずおこないましょう。
職業訓練校の選考試験(面接・筆記)に合格しなければならない
2回目の職業訓練を受講するときも、1回目と同じように職業訓練校の選考試験を受けて合格しなければなりません。
2回目の受講の場合は、1回目以上に志望動機や就職の意思を詳しく質問されやすい傾向があります。
面接前に自分の考えや希望を整理して、選考担当者に胸を張って伝えられるように準備しておきましょう。
雇用保険(失業保険)や給付金をもらえるかどうかは別の話
2回目の職業訓練では、選考試験をクリアして受講自体はできても、お金をもらえないケースがあります。
「職業訓練を受講できる条件」と「給付金をもらえる条件」は別物と考えてよいでしょう。
給付金が気になるときは、応募前にハローワークで自分にあてはまる条件を確認しておきましょう。
職業訓練校の再受験は不利ではないが審査が厳しくなる
2回目の職業訓練の選考試験では、1回目以上に受講の審査が厳しくなる傾向があります。
続いて、2回目の審査が慎重になる理由とクリアするためのヒントをお伝えします。
- 明確な志望動機・キャリアプランが必要
- 2回目の受講の必要性が重視される
2回目の受講の必要性が重視される
2回目の職業訓練に応募するときは、ハローワークや職業訓練校の担当者に「本当に受講をする必要があるか」を確認されます。
職業訓練は公的な制度のため、「本当に必要な人に受けてもらいたい」「できるだけ多くの人にチャンスを与えたい」と考えているからです。
ゆえに、担当者を納得させられるだけの理由と伝え方を準備しておく必要があります。
明確な志望動機・キャリアプランが必要
2回目の応募では、受講の必要性をアピールできる明確な志望動機とキャリアプランが欠かせません。
「なぜ2回目の職業訓練を再受講したいのか?」「どのような仕事に就いて、どのように働きたいのか?」をしっかり答えられるようにしておきましょう。
2回目の職業訓練の選考試験で落ちるケース
2回目の職業訓練の選考では、次のような理由から不合格になってしまう場合があります。
ここでは、2回目の職業訓練の選考試験で落ちやすいケースを紹介します。
- 前回と同じコースを再受験する
- 前回受けたコースと学習内容が似ている
- 就職の意思が伝わらない
前回と同じコースを再受験する
基本的に、職業訓練では前回と同じコースの受講は認められていません。
職業訓練校側も「1回目の受講はムダだったのかな?」「もう1回受講したところでスキルが身につくのかな?」と学習意欲に不安を抱きやすくなります。
ただし、同じ講座でも前回の受講から10年以上経過している場合は、ブランクやカリキュラムの変化を考慮して2回目の受講を認められる可能性があります。
前回受けたコースと学習内容が似ている
2回目の希望コースが前回受けたコースと似ていると、不合格になりやすい傾向があります。
例えば、1回目にWebデザインのコース、2回目にグラフィックデザインのコースのようなケースです。
ジャンルが似ていると受講の必要性を感じにくく、担当者に「就職活動に消極的なのでは?」「給付金をもらうために職業訓練を受けたいのでは?」と不安視されることがあります。
就職の意思が伝わらない
職業訓練では、ハローワークや職業訓練校の担当者に就職の意思が伝わらないと不合格になります。
職業訓練は求職者の就職をサポートするための公的制度なので、就職意欲が薄いと「受講の必要はない」と判断されてしまいます。
応募者のなかには、離職期間の延長や給付金を目当てに受講をしようとする方もいるため、職業訓練校側も慎重にならざるをえないのが本音なのです。
2回目の職業訓練に合格するためのポイント
2回目の職業訓練の選考試験に合格するには、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。
ここでは、2回目の職業訓練に合格するためにできる具体的なアクションをお伝えします。
- コース選びを慎重におこなう
- 面接や志望動機の対策をする
- 就職の意思と具体的な行動を示す
準備万端で試験に臨んでくださいね!
コース選びを慎重におこなう
2回目の職業訓練を受講したいときは、コース選びを念入りに行いましょう。
1回目のコースと2回目のコースがまったく違うジャンルであれば問題はありません。
前回と同じコースや近いコースを受けようとしているなら、本当に受講が必要かどうか確認することをおすすめします。
面接や志望動機の対策をする
2回目の職業訓練では、受講申込書に記入する志望動機や面接での回答には徹底した対策が必要です。
1回目以上に志望理由や将来の希望を深掘りされるため、事前に「なぜ2回目を受けたいのか?」「修了後はどうなりたいのか?」を考えておきましょう。
次の例の参考に、ハローワークの職員や面接官を納得させられる伝え方を熟考してくださいね。
▼2回目の職業訓練の志望動機の例
- 「就職して働くなかで、○○に興味をもったのでチャレンジしてみたい」
- 「前回の職業訓練を修了後に就職したが、体力面で限界を感じた。次は体への負担が少ない○○をやってみたい」
- 「実際に働いてみると○○は自分に合っていなかった。次は自分が得意な□□を活かせる△△の仕事に挑戦したい」
就職の意思と具体的な行動を示す
2回目の職業訓練の選考試験では、面接官に就職したい旨をハッキリ伝えましょう。
就職の意思は、志望理由と同じくらい重要視されるポイントです。
就職意欲を伝えるには、実際におこなった具体的な就職活動を挙げると説得力が増します。
職業訓練に応募する前から希望の職種に応募したり面接を受けたりして、今の自分に足りないスキルを知っておきましょう。
2回目の職業訓練でもらえる給付金
最後に、気になる給付金の条件をお伝えします。
過去に職業訓練を受けた方は給付金をもらえる条件が異なるため、注意が必要です。
- 雇用保険の延長給付金は12カ月の加入期間があればもらえる
- 職業訓練受講給付金は6年間空いていればもらえる
雇用保険の延長給付金は12カ月の加入期間があればもらえる
職業訓練の受講中にもらえる雇用保険の延長給付金は、1回目と同じく「12カ月以上の加入期間」があれば受給資格を得られます。
1回目の職業訓練を修了後、就職をして1年以上働いていればもらえるということです。
また、倒産や解雇、病気などのやむを得ない理由で離職した方(「特定受給資格者」又は「特定理由離職者」)は、雇用保険の被保険者期間が通算して6カ月以上あれば受給資格を得られる場合もあります。
参考資料:
ハローワークインターネットサービス – よくあるご質問(雇用保険について)
52301-52700 第13 給付日数の延長(P267~293)【24.4】
職業訓練受講給付金は6年間空いていればもらえる
1回目の受講時に職業訓練受講給付金(基本手当+通所手当)を受け取っていた方は、前回の給付から6年以上経っていれば支給されます。
しかし、6年未満の場合は受け取れないため、その分の生活費を自分で補う必要があります。
参考資料:求職者支援制度のご案内 |厚生労働省
FAQよくある質問
職業訓練の連続受講はできる?
2回目の職業訓練に応募するには、基本的には前回の修了日または退校日から1年以上空ける必要があります。
ただし、例外として求職者支援訓練で次の条件が合えば受講できる可能性があります。
- 求職者支援訓練の基礎コース→実践(応用)コースにステップアップする場合
- 上記かつハローワークの職員が2回目の受講を認めた場合
2回目の職業訓練を受けるには1回目からどのくらいの期間が必要?
基本的には、1回目の訓練修了日から1年以上期間を空ける必要があります。
ただし、条件が合えば例外で求職者支援訓練であれば連続受講が可能な場合もあります。
過去の受講状況によって条件が異なるため、ハローワークに相談してみましょう。
2回目の職業訓練の面接のポイントは?
2回目の職業訓練の面接で重要視されるのはズバリ「志望動機」です。
2回目の職業訓練の面接試験では、将来のビジョンや再受講の必要性を、面接官に理解してもらえるように伝える必要があります。
自分の考えや希望する職業のリサーチを念入りにおこない、さらに就職の意思と具体的な行動を示せると、意欲や熱意がより伝わりやすくなります。
2回目の職業訓練の選考試験に落ちたらどうすればいい?
2回目の選考試験に不合格になってしまったときは、次の選択肢が考えられます。
- 職業訓練に再受験する
- 民間のスクールに通う
- 職業訓練を受講せずに就職活動をする
次の記事では、選考試験に合格するためのポイントや未経験職種に就職するコツを紹介しているので、あわせてご覧ください。
関連記事:職業訓練校に落ちたらどうする?不合格の理由と合格するポイントを紹介
さいごに
2回目の職業訓練を受講するには、次の条件を満たしている必要があります。
- 前回の終了日から1年以上経っている
- 求職者支援訓練の基礎→応用コースは連続受講できる場合あり
- 職業訓練校の選考試験(面接・筆記)に合格する
- 雇用保険や給付金をもらえるかどうかは別の話
新たなチャレンジに燃えている方も、スキルアップを目指している方も、将来の姿をイメージしながら納得のいく行動を起こしましょう!
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当校の受講生のなかには、「職業訓練を受けるのは2回目」という方もいらっしゃいます。
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一覧へ戻る監修者
平原正浩
ワークキャリア株式会社 求職者支援訓練 本部運営チームリーダー
ワークキャリア株式会社の本部にて、職業訓練校「ジョブトレ」の運営業務全般を統括する。主な業務は訓練制度の把握や訓練運営体制の整備、開校申請など。
ライター
せらさとこ
ジョブトレ公式ブログライター
ワークキャリア株式会社の求職者支援訓練事業「ジョブトレ」にて、選考試験面接官とSEOメディアの執筆を担当。過去に販売職から事務職への転職経験あり。読者の本音に寄り添いながら、疑問を解決できる記事を目指して日々奮闘中。