職業訓練中にもらえる交通費|支給条件・車や自転車の場合など解説
職業訓練校中は、通学するために電車や車を利用する方がほとんど。
そんな中「職業訓練中の交通費はもらえるの?」「支給条件やもらえる金額は?」という疑問をお持ちの方も多いと思います。
公的職業訓練(ハロートレーニング)の受講期間中は、条件を満たしていれば交通費をもらえます。
通学は毎日のことなので、1日の交通費は少なくても、積もり積もって大きな金額になります。
何かとお金の不安がある職業訓練中は、できれば交通費は手当でまかないたいですよね。
この記事では、交通費を受給するための条件や、公共交通機関と車の支給金額の違いについて分かりやすく解説します。
注意したいポイントやよくある質問についても説明しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
ちなみに、最近では完全在宅で受けられる職業訓練があるんです。
通学不要なので、もちろん交通費もゼロ円!
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目次
職業訓練中は交通費として「通所手当」がもらえる
職業訓練を受けるにあたって雇用保険(失業保険)や職業訓練給付金(月10万)を受給される方は、交通費として「通所手当」がもらえます。
さらに、2023年4月1日から制度が改正され、雇用保険や給付金の支給対象とならない人でも、本人収入月12万円以下、世帯収入月34万円以下などの条件を満たせば通所手当を受給できるようになりました。
手当が利用しやすくなったのは、とてもありがたいですよね!
職業訓練中にもらえる交通費の支給条件
職業訓練中にもらえる交通費は次のような支給条件があります。
- 自宅から職業訓練校までの距離が2㎞以上離れていること
- 公共交通機関(電車やバス)、車、自転車などが対象
- 徒歩は対象外
- 公共交通機関を利用する場合は、1カ月42,500円が上限
- 車や自転車、バイクを利用する場合は通学距離によって支給額が変わる
- 最短距離かつ一番交通費が安い通学ルートで支給される
自宅から訓練校までの距離が2㎞未満の場合、または徒歩の場合は交通費は支給されないので注意しましょう。
また、支給条件には細かいルールがあり、電車を使うか車を使うかによって給付される金額も変わります。
ここからは、給付金額の違いや細かいルール、注意点について一緒にみていきましょう。
職業訓練中にもらえる交通費の給付金額
交通費手当はいくら支給されるのでしょうか?
ここでは、通学の手段によって変わる交通費の給付金額について解説します。
公共交通機関(電車・バス)を利用した場合
電車やバスなどの公共交通機関を利用した場合、1カ月分の定期代が支給されます。
ポイントは、最短距離かつ最も交通費が安くなる通学ルートで支給されるということ。
たとえば、自宅から徒歩5分のバス停からバスに乗った方が便利だとしても、歩いて15分かかる駅から電車を利用した方が交通費が安くなるならそちらのルートになる可能性が高いです。
どうしても自分の希望のルートで行きたい場合は、差額は自己負担で払うことになります。
上限は1カ月42,500円なので、よほどの遠方でなければ交通費は全額支給となる場合が多いでしょう。
交通費をなるべく払いたくない方は、公共交通機関の利用をおすすめします。
自転車・車・バイクを利用した場合
自転車・車・バイクなどを利用する場合は、自宅から訓練校までの距離によって支給額が変わります。
自宅から訓練校までの距離 | 支給額 |
片道2㎞未満 | 支給対象外 |
片道2㎞~10km未満 | 3,690円 |
片道10km以上 | 5,850円 |
厚生労働大臣指定地域に住んでいて 片道15km以上※ | 8,010円 |
自転車や車で通学しようと思っている方は、自宅から訓練校までの距離を調べておきましょう。
また、表の一番下の「厚生労働大臣指定地域」とは、公共交通機関があまり発達していなくて自転車や車を利用しないと通学が難しい地域のことです。
自分の住む地域が指定地域かどうか、事前にチェックしておきましょう。
車の燃費によっては10㎞以上の長距離になると支給額では足りず、不足分は自己負担になることもあるかもしれませんね。
参考:厚生労働大臣指定地域
自転車と公共交通機関どちらも利用した場合
「自転車とバス」「車と電車」などの組み合わせで通学する場合でも交通費は受け取れます。
【例】
①→②→③のルートで通学する場合
①自宅→A駅(2.5㎞) :自転車
②A駅→B駅→C駅(10㎞):電車乗り継ぎ(10㎞)
③C駅→訓練校(0.2㎞) :徒歩
この場合に支給される1カ月分の交通費は、①3,690円、②定期代(5,270円とする)、③0円となり、合計8,960円になります。
月の途中から入校した場合は日割り計算で支給
職業訓練の開講日、修了日が月の途中になる場合は、日割り計算で支給されます。
1カ月の交通費をその月の総日数で割って、通学した日数を掛けた金額です。(小数点は切り捨て)
【計算方法】
[1カ月の交通費]÷[その月の総日数]×[手当支給日数]
例)1カ月の定期代10,000円、9月20日に開講した場合の9月分の交通費は
10,000円÷30日×10日=3,333円
定期券の購入で注意したいポイント
公共交通機関で通学する方は、定期券を購入することになります。
適切な定期券を購入しないと、後々トラブルに繋がりかねないので注意が必要です。
ここでは、定期券の購入で注意したいポイントについて紹介します。
通学ルートの申請が通ってから購入する
交通費は最短距離かつ最も交通費が安くなる通学ルートしか認められません。
そのため、自分が希望する経路を自由に決められるわけではなく、最終的にハローワーク側が判断することになります。
自分では最適なルートを申請したつもりでも、もっと安く済むルートがあればそちらに変更になります。
あわてず、通学ルートの申請が通ったことを確認してから定期券を購入しましょう。
定期券の利用開始日は、訓練校が始まる日に合わせましょう。
定期券の抜き打ちチェックがあるかも
訓練受講中は、適切な定期券を購入しているかどうかの抜き打ちチェックを実施する訓練校が多いです。
これは不正受給防止のためで、実施回数やチェックのタイミングはハローワークや訓練校によって違います。
これまでにあった、よくある不正受給としては次のような事例があります。
【不正受給の例】
- 定期券を買わず、車で来ている。
- バスと電車を乗り継いでいくという申請をしたのに、バスは使わず定期券も購入していない
- 自宅からの経路で申請したのに、訓練校に近い友人宅から通っており、適切な定期券を買っていない
不正受給となってしまうと基本手当がストップし、最悪退学になる可能性もあります。
さらに、罰則として不正に受け取った分の3倍の金額を払い戻さなければならないこともあるようです。
せっかく就職や転職のために頑張ろうと思っていたのに、こんな結果になると悲しいですよね。
定期券は必ず申請したルートで購入しましょう。
引っ越しなどの事情で通学ルートを変える必要があるときは、事前に担当の人に相談しましょう!
学割を使って「通学定期券」を買える?
通学する訓練校によって、通学期間が1年以上の場合「学生証」が発行されます。
学生証があれば学割を使い、通勤定期券の約半額で「通学定期券」を購入できます。
ただし、学割で購入できる条件は鉄道会社やバス会社によって細かいルールが異なるようなので、事前にチェックしたうえで購入しましょう。
訓練期間が3ヵ月や6ヵ月などの1年未満の場合は学生証は発行されないため、通勤定期券を利用することになります。
参考記事:職業訓練中に使える学割|定期券やパソコンなど利用条件も紹介
3ヵ月定期・6ヵ月定期を購入してもいいの?
3ヵ月定期や6ヵ月定期を購入した方が、1カ月定期よりもお得に利用できるのでは?と思う方もいるかもしれません。
交通費手当である「通所手当」は、1カ月の定期代が支給されると決まっています。
そのため、お得な3ヵ月定期などを購入していた場合、差額分多くのお金を受け取ってしまうことになります。
場合によっては「不正受給」という扱いになってしまいかねないため、定期券チェックのときは1カ月定期でないと許可されないことがあります。
定期券は基本的には1カ月単位で購入した方がいいでしょう。
ただし、ハローワークや訓練校から許可がでた場合はOKですので、一度問い合わせて、不正受給にならないよう確認することをおすすめします。
職業訓練の交通費はいつ支給される?
交通費は月末締めで、翌月の半ばごろにハローワークで申請した銀行口座に振り込まれます。
【例】
8月に訓練校がスタートした場合、8月分の交通費は翌月9月の半ばごろに支給される
雇用保険や職業訓練給付金を受給対象の方は「基本手当」や「受講手当」などの他の手当と合わせて支給されます。
支給までの流れとしては「その月に通った日数」を証明する書類を訓練校からもらい、ハローワークに提出。
その後支給が決定したら10日以内に振り込まれることになっています。
ハローワークの処理状況によって振り込み日は多少前後するので、毎月15日~20日ごろに振り込まれると思っておけばいいでしょう。
お得に受講するなら交通費不要のeラーニングコースがおすすめ
通いたい職業訓練校が遠方にあり、交通費手当で足りるか不安な方や、そもそも交通費手当を受けられない方は、オンラインで受講できるeラーニングコースがおすすめ。
パソコンとインターネット環境さえあれば自宅で受講でき、通学が一切いらないコースもあるため、交通費も通勤時間もかかりません。
eラーニングコースにはWeb系のスキルを学べるコースや、簿記や宅地建物取引士といった資格取得を目指すコースなど、さまざまなジャンルがあります。
気になる方は、ハローワークのWebサイトや窓口で確認してみてくださいね!
eラーニング職業訓練校の「ジョブトレ」なら交通費0円
株式会社ワークキャリアでは、全国初のeラーニングの職業訓練校として「ジョブトレ」を運営しています。
全てのコースがオンライン完結型なので、通学する必要がなく交通費はかかりません。
※指定来所日のハローワークへの交通費は、自己負担となります。
職業訓練校が遠方にあって通学時間が長くなる方や、子育てや介護をされている方でも受講しやすくなっています。
現在ジョブトレでは、Web系のスキルを学べる次の3つのコースを用意しています。
- Webデザイナー養成科
- 広報担当者養成科
- 事務担当者養成科
Webデザイナー、広報、事務職に興味がある方は、下のリンクから確認してみてください!
FAQよくある質問
交通費はどうやって申請するの?
居住地のハローワークの職業訓練窓口で必要書類を提出します。
どんな書類を提出する必要があるかはハローワーク側から指示があります。
分からないことがあれば質問してしっかり確認し、提出期限までに必要書類を提出できるように準備を進めましょう。
交通費がもらえない場合はある?
次の条件に該当する場合は、支給対象外となるので交通費はもらえません。
- 雇用保険の受給対象ではない(受給が終了した)
- 職業訓練給付金の受給対象ではない
- 本人収入月12万1円以上、世帯収入月34万1円以上の方
- 徒歩で通学する場合
- 通所が一切発生しないeラーニングコースを受講する場合
自分が交通費支給の対象であるかどうか、事前にしっかり確認しましょう。
また「申請したのにもらえなかった」という場合は、ハローワークや訓練校側の事情があるかもしれないので担当者に問い合わせてみてください。
モバイルSuicaは使える?
モバイルsuicaの定期券が問題ないかどうかは、都道府県やハローワーク
のルールによって異なります。
定期券は現物しか認めず、モバイルsuicaは禁止と指定している都道府県もあるようです。
定期券についてはハローワークや職業訓練校から事前説明があるので、そのときにしっかり確認しましょう。
通学ルートの変更はできる?
申請後であっても通学ルートは変更できます。
しかし、ハローワークによってはルートの変更に厳しく、特別な理由でなければ断られることもあるようです。
引っ越しなど事前に分かっていることがあれば、申請する段階で事前に相談しておくことをおすすめします。
さいごに
今回は、職業訓練中にもらえる交通費の支給条件、電車や車の場合の支給金額、定期券の注意点について紹介しました。
とくに重要なポイントをおさらいしましょう。
- 職業訓練中は「通所手当」という交通費手当がもらえる
- 公共交通機関(電車・バス)を利用した場合は月42,500円が上限
- 自転車や車を利用した場合は訓練校までの距離数によって支給額が変わる
- 通学ルートは最短距離かつ最も交通費が安いルートで決まる
- 定期券の不正は絶対に禁止
- 月末締め、翌月の半ばごろに振り込まれる
職業訓練中はお金の不安がある方も多い中、交通費手当の存在はとても大きいですよね。
支給条件や電車や車の場合の違いなどの細かいルールを理解して、適切な手当を受け取るために、ぜひ参考にしてみてくださいね!
また、交通費が気になる場合はそもそも交通費のかからないeラーニングコースも選択肢のひとつです。
「eラーニングは初めてで不安」と思う方は、まずは公式LINEで配信中の体験講座をチェックしてみてくださいね!
一覧へ戻る監修者
平原正浩
ワークキャリア株式会社 求職者支援訓練 本部運営チームリーダー
ワークキャリア株式会社の本部にて、職業訓練校「ジョブトレ」の運営業務全般を統括する。主な業務は訓練制度の把握や訓練運営体制の整備、開校申請など。
ライター
いそべなおこ
ジョブトレ公式ブログライター/事務
ワークキャリア株式会社の求職者支援事業「ジョブトレ」にてSEOメディアの公式ライターを担当。選考面接官・事務業務にも携わる。未経験から事務職を開始した経験から、ジョブトレ事務養成科コースの職業人講話にも登壇している。